自助具(フォーク & スプーン) / Self Help Device
フォーク最終形
スプーン試作1号
試作検証中
専用スタンド
製作概要
父の腕は、子供のころのケガで右肘が固まっており、近年は脳梗塞で左半身も麻痺したため、ついに市販の食器では口まで届かず、自分で食べることができなくなってしまっていた。
そこで、辛うじて動く右手首のスナップを使い、自力で食事のできる食器を造ることとした。
指にはリュウマチもあり、何度も握り返して口へ運ぶため、様々な握り方が出来て、かつ先端の位置関係が変化しにくい取手形状を探求した。また、握り部分の素材は地区の間伐で出た山桜の枝を削り出して製作した。
製作への思い
介護用品は、本来使う人ひとりひとりに合わせたカスタムの必要があるだろうが、時として汎用品で間に合わせることが多い。そしてその外観は機能を優先するがゆえ、美しいものはあまり無い。
毎日使う食器であることから、少しでも他とは違いすぎない自然な外観であること。そして愛着の持てる様に良い素材を使うこと。介護状態であっても自尊心は失わないプロダクトを目指した。