自助具(ストロー) / Self Help Device
3号機(最終形)
試作1号機
2号機(初期に病院内で使用)
3号機使用風景
製作概要
父の腕は、子供のころのケガで右肘が固まっており、近年は脳梗塞で左半身も麻痺したため、ついにコップや湯飲みを自分の口まで運べなくなってしまっていた。
幸い、ストローを使って自力で飲水できるのだが、長期の入院で体を起こすことができなくなってしまった。そのため、市販には無い長いストローを造ることとした。
ストローが途中で垂れることなく、かつ自由な位置をホールドできる構造をアルミ材とトルクヒンジで作り、かつ可能な限りシンプルに改良を重ねた。
デイサービスなどへお出掛けに際にも使える様に、コップの上に乗せるだけのバランス構成にし、ある程度以上の口径があり安定している茶碗、コップならどんなものでも使える様にした。
また、衛生面も考慮しストロー本体はシリコンチューブを使い、簡単に取り外せ洗浄し易くした。
製作への思い
介護用品は、本来使う人ひとりひとりに合わせたカスタムの必要があるだろうが、時として汎用品で間に合わせることが多い。そしてその外観は機能を優先するがゆえ、美しいものはあまり無い。
毎日使う食器であることから、少しでも自然な形であること。そして愛着の持てる様に良い素材を使うこと。介護状態であっても自尊心は失わないプロダクトを目指した。